畳の部屋をおしゃれに変える!和室から洋室リフォームで資産価値もアップする全手順

近年のライフスタイルの変化により、「和室を洋室にリフォームしたい」という声が急増しています。
畳の部屋は落ち着きがあり、昔ながらの日本家屋にとっては欠かせない存在でしたが、現代の住宅ニーズに照らすと使い勝手の悪さや老朽化、メンテナンスの手間などが課題となりがちです。
さらに、マンションや戸建ての資産価値という点でも、「和室があると買い手がつきにくい」といったケースも少なくありません。
こうした背景から、和室を洋室へと改装するリフォームは今や定番のリノベーション手法となりつつあります。
この記事では、初めて和室リフォームを検討している方に向けて、以下のポイントを網羅的に解説していきます:
- 和室から洋室へのリフォームが人気の理由
- 実際にどんな工程・費用がかかるのか
- どんな点に注意すれば失敗しないか
- どう設計すれば将来の資産価値も高まるか
図解レベルの丁寧さで、プロ目線でわかりやすく解説していきます。
和室から洋室リフォームが人気の理由とは?

ライフスタイルの変化にフィットする空間が必要に
現代の暮らしにおいて、畳の上で生活する人は減少傾向にあります。
ソファやベッドを使う生活が一般的になり、畳の上に家具を置くと凹んだり跡がついたりと不便も多くなってきました。
また、次のような状況で「和室を洋室に変えたい」という需要が生まれています:
- 子どもが成長し、個室が必要になった
- 在宅ワークや書斎スペースとして使いたい
- 来客用スペースではなく普段使いの部屋にしたい
- 高齢になりバリアフリーな空間を求めるようになった
こうした変化に合わせて、より機能的で使いやすい空間を求める人が増えています。
和室と洋室の構造的な違いとは?

畳とフローリングの床構造の違い
畳は「畳床(たたみどこ)」という分厚い芯材の上に敷かれており、和室特有の構造になっています。
これに対して洋室では「根太(ねだ)→合板→フローリング材」といった下地工法が主流で、施工の仕上がりや耐久性が異なります。
また、畳の厚み分(約50〜60mm)を調整しないと床の段差が生まれるため、床を剥がして下地から作り直す必要があります。
天井・壁・建具の素材も異なる
和室では以下のような素材がよく使われます:
| 部位 | 和室によくある仕様 |
| 壁 | 土壁・砂壁・繊維壁などの塗り壁 |
| 天井 | 木目の竿縁天井 |
| 建具 | 障子・ふすま |
これらをクロス貼り、板張り、ドアに変えることで洋室化が可能です。
和室から洋室にリフォームする工程(流れ)

ステップ1:現地調査・プランニング
- 現在の畳、床下地、断熱材、防音対策の有無を調査
- 壁・天井の仕上げ材を確認
- 必要であれば間取り変更や収納追加も検討
ステップ2:解体工事
- 畳の撤去、下地材の剥がし
- 壁面が塗り壁や砂壁の場合は下地処理も必要
ステップ3:床の下地処理
- 根太や構造材の補強(必要に応じて)
- 防音・断熱材の施工(特にマンションでは重要)
- フローリングの施工(直貼り or 浮き床工法)
ステップ4:壁・天井の施工
- クロス下地のベニヤ貼り
- クロス貼り、照明の移設や増設
ステップ5:建具の交換・仕上げ
- ふすま → ドアへの変更
- サッシまわりのモール処理
- コンセント・照明スイッチの増設・移設
和室から洋室リフォームの費用相場
| 内容 | 費用相場(税込) |
| 畳の撤去・廃棄 | 2万〜5万円 |
| 床のフローリング化(6畳) | 10万〜25万円 |
| 壁・天井クロス仕上げ | 8万〜15万円 |
| 建具交換(ふすま→ドア) | 3万〜8万円 |
| 電気・照明工事 | 2万〜6万円 |
| 合計 | 25万〜60万円前後 |
※あくまで一般的な6畳間の場合。仕様・施工業者・地域によって変動します。
こんなに変わる!ビフォーアフター事例
事例1:マンション6畳和室 → 洋室+書斎コーナー
- 畳撤去+断熱材施工+フローリング+間仕切り追加
- 在宅ワークにも対応したおしゃれな空間に
事例2:戸建て2間続きの和室 → LDKへ一体化
- 壁を抜き、構造補強しながら広いLDKに
- フルリノベで資産価値アップ
失敗しないための注意点とよくある落とし穴
和室から洋室へのリフォームは人気ですが、安易に行うと後悔するポイントも少なくありません。施工前にしっかりチェックしましょう。
和室特有の構造を見落とさない
畳の下にある下地や根太の構造が劣化していることもあります。また、掘りごたつがあったり、段差の多い和室だった場合、フローリング施工前に大規模な補修が必要になることもあります。
- シロアリ被害、断熱材の欠落
- 和室天井(竿縁天井)はクロス貼りに不向きな場合あり
- 壁が塗り壁の場合は粉塵処理・下地処理が必要
マンション特有のルール・制限に注意
マンションの場合、リフォーム前に管理組合へ申請・承認が必要なケースがあります。特に以下の項目は注意が必要です。
- 二重床工法(防音等級LL45以上などの規定あり)
- フローリング材の指定(遮音材一体型など)
- 工事可能な時間帯や期間の制限
- 搬入搬出ルートの届け出
資産価値を高める洋室リフォーム設計のコツ
ただ和室を洋室に変えるだけでは、資産価値が大きく上がるとは限りません。購入検討者が好む要素を盛り込むことで、将来売却時に有利になります。
収納を増やす・動線を最適化する
押入れをクローゼットに変更するだけでなく、「ウォークイン収納」「在宅ワークスペース」などに作り変えると評価が高まります。
- 壁一面のクローゼット+デスクを備えた“書斎型洋室”
- 寝室兼ワークスペースとしても使えるマルチルーム設計
フローリングは質感の良いものを選ぶ
安価な塩ビ系フロアシートではなく、**木目調の防音対応フローリング材(遮音等級付き)**を選ぶと印象が大きく変わります。
- マンションでは防音フロアLL45以上が推奨
- 戸建てでは無垢材などの高級感が資産価値に直結
照明やスイッチ配置を一新する
- ダウンライトや調光式照明を取り入れる
- スイッチの位置変更(使いやすさ重視)
- エアコン・TVコンセント・LAN配線の見直し
DIYとプロ業者の違いは?
和室の洋室化はDIYでできる範囲もありますが、施工ミスが大きなトラブルに発展することもあります。
| 項目 | DIY | プロ業者 |
| 畳の撤去 | 可(道具が必要) | 安全に処分まで対応 |
| フローリング施工 | 難易度高(下地調整が重要) | 床鳴り・段差防止まで確実 |
| 壁クロス仕上げ | 壁面状態によりムラが出やすい | 石膏ボード補修やパテ処理も対応 |
| 建具交換 | 困難(寸法・建付けに注意) | ドア枠ごと交換も可能 |
| 施工時間 | 数週間〜 | 2〜5日程度で完了可能 |
和室から洋室リフォームは「資産価値+暮らしやすさ」両立がカギ
和室を洋室にリフォームすることは、見た目の印象だけでなく、暮らしやすさと資産価値を両立するための有効な方法です。
ただし、段差・防音・構造補強・マンション規約などの細かい部分に配慮せずに進めてしまうと、「思ったより高くついた」「将来売却時にマイナス評価になった」など後悔が残ることにもなります。
最終的には、プロのリフォーム業者に見積もりと提案を取りながら、自分たちの将来のライフスタイルにあった洋室空間を手に入れることが大切です。
和室→洋室化:リフォームチェックリスト(保存用)
✅ 畳の状態・下地の構造確認
✅ 壁・天井・照明の素材と仕様確認
✅ フローリングの遮音等級(特にマンション)
✅ 管理規約・工事申請の有無
✅ 資産価値を上げる収納・設備計画
✅ 2社以上の業者から相見積もりを取得
✅ 工事保証・アフターサービスの確認











